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マイホームは消費税増税前に買うのが得か

公開日 2013年3月25日

低金利の今がマイホーム購入の最後のチャンスとか、
消費税増税前に買った方が得に決まってるとか、
住宅ローン減税の控除額アップは増税前に買うと適用されないとか、
増税後に住宅販売が落ち込み価額が下がるとか、


複合的に考えるといつが買いどきなの? 
と思っている方のためにマイホームをいつ買えばいいのか試算してまとめて見ました。でもホントのところ、いい物件なら増税前後など無視して買いです。いい物件は、めったにでませんから。


住宅購入に影響を与える要素

買い時に影響を与える要素を洗い出します。

  1. 金利の動向

    不景気の結果の史上空前の低金利が継続中ですが、アベノミクスで固定金利の指標となる長期金利がピクピクしだしました。変動金利に影響する短期金利は金融政策の影響下にあるので依然として不動状態です。いずれにしても、金利がどうなっていくかは不明です。
    下のケース別試算では不確定要素である金利差の損得は考慮に入れません。
    金利差から生じる支払額(利息)の差を試算したい場合は、月々の返済額と総返済額の計算シミュレーションで計算してください。

  2. 消費税増税

    2014年4月から8%に増税、2015年10月から10%に増税する消費税。消費税は建物価額にかかり、土地は非課税です。そして売主が事業者でない個人の場合は、課税されません。購入時の諸費用のうち手数料(仲介手数料、融資手数料、司法書士手数料)にも消費税がかかります。

  3. 住宅ローン減税

    消費税が増税すると住宅ローン控除額が引き上げられます。増税の負担を軽減する目的ですから増税の影響を受けない買い方をした場合には従前のローン控除内容のままです。また、増税が100%あるとは決まっていません。また、控除額引き上げの恩恵は年末残高が2000万円以上の人に限ってのことです。借りる金額によって差が出ます。

  4. 増税後の住宅価額のダウン

    増税前には駆け込み需要がある反面、増税後はその反動で住宅の販売が低迷し、プライスダウンが予想されますが人気物件には影響はでません。
    下のケース別試算では不確定要素である価額差の損得は考慮に入れません。

  5. 個人の購買力

    欲しい時が買いたい時とは限りません。大きな買い物になるので購入後の家計に大きな影響があります。実際のところ損得勘定抜きでこの要素が一番重要です。

  6. 増税前の駆け込み需要で不動産価額の値上げ 2013年8月12日追記

    売れるとなると少しでも高く売ろうとするのは、需要と供給の関係で止むを得ないことです。
    下のケース別試算では不確定要素である価額差の損得は考慮に入れません。

  7. すまい給付金 (導入予定) 2013年8月12日追記

    住宅ローン減税の効果が十分に及ばない所得者層に対して、消費税引上げの負担を軽減するためのものです。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円給付することとしています。
    また、住宅ローンを利用しないで住宅を取得する現金取得者については、年齢が50才以上で収入額の目安が650万円以下の方が対象となります。

消費税増税から住宅購入者層を守る負担軽減策

消費税増税から住宅購入者層を守る負担軽減策
  1. 住宅ローン減税の拡充

    住宅ローン控除の限度額を引上げることで所得税等が減税になります。住宅ローン控除について消費税増税時の住宅ローン控除(H25年税制改正)については以前に説明しました。

  2. すまい給付金の創設

    元々所得税が少ない人や住宅ローンの額が低い人は、住宅ローン減税のメリットを十分に得られません。この層に対応するための制度です。

負担軽減策の効果イメージ図

増税前に買うか、増税後に買うか、どちらの方が損しないかと悩む方も多いと思います。消費税の増税分に対して負担軽減策(住宅ローン減税の拡充とすまい給付金)がどれほどカバーしているかをグラフ化しました。

8%にアップした時は、借入れ金額が3100万円のときに、やっとグラフが交差しカバー出来ています。すまい給付金を受けられれば2600万円でカバーできます。10%時では、3700万円で交差していたのがすまい給付金で2900万円まで下がります。交差した後は、両方とも借入金が5200万円位まで増え続けます。

すまい給付金が受けられる受けられないかでかなり差が出ます。特にグラフで左に近づく(借入金が少ない)ほど差が大きいです。事前に、給付要件を熟知したほうが良さそうです。給付が受けられない場合は、増税前の購入しか手はなさそうです。

8%時ローン減税拡充損得イメージグラフ 10%時ローン減税拡充損得イメージグラフ
グラフおよびケース別試算表の前提条件
借入金:物件価額全額
ローンの金利種類:固定金利
借入期間:30年
返済方法:元利均等返済型
建物価額:物件価額2000万円時にその7割とし、6200万円時にその4割とし定率で低減させた
消費税の対象:建物代金、仲介手数料、融資手数料(2.1%)、司法書士手数料(15万円)
すまい給付金の額:借入金額からフラット35融資基準の返済比率で収入を逆算し給付金を算出した

負担軽減策を上手に使う

中古物件を買う場合

まず、中古物件は、売主が一般個人の方であることが極めて多いです。消費税は売主が事業者の場合にかかるものなので、売主が一般個人の場合には消費税がかりません。そうなると、ローン控除の限度額等も現在と変わらず、消費税増税の影響は受けずいつ買っても損得は同じです。

次に、売主が事業者の場合ですが、すまい給付金を受ける要件に、売主が宅地建物取引業者である中古住宅であり、売主が宅建業者に限られる事に注意が必要です。住宅ローンを利用する場合は、既存住宅売買瑕疵保険への加入などが求められますが、ほとんどそのような物件はないと思います。住宅ローンの利用がない場合は、50才以上で収入額の目安が概ね650万円以下の者が取得する住宅が対象となります。
よって、売主が宅建業者の場合でも給付要件を充たしそうもない物件を買う場合は増税前がお得なようです。中古物件は、すべて、増税前がお得と考えた方が良さそうです。

借入金の年末残金が2,000万円以下の場合

消費税がアップするとローン控除の限度額がアップされ、年末借入残高の限度額も2000万円から4000万円にアップされます。年末借入残高が2000万円を超えなければ現在のローン控除と同じ内容ですから消費税アップ分に対する補填はありません。
すまい給付金が受けられればある程度のカバーが出来ます。給付が受けられそうも無い物件の場合には、増税前に購入する方がお得なようです。

所得税が少なくてローン控除をあまらせてしまう場合

ローン控除は、課税される税金(所得税・住民税)からの控除です。収入が少なかったり扶養控除等が多いなどで税金が少なければローン控除が使い切れず絵に描いた餅になります。
このような場合の対応策のすまい給付金ですが、給付を受けられなければ絵に描いた餅です。所得税が少ないと言うことは、可処分所得が少ないことにも通じます。そうであれば、すまい給付金が得られるような優良な物件には手が出ないことが想定できます。給付要件を充たす物件を探せられない場合は、増税前に購入する方がお得なようです。

中古物件でローン控除を受けるには

中古物件でローン控除を受けるには、マンション等(耐火建築物)の物件は、築25年以内のものを、木造や軽量鉄骨造り等(耐火建築物以外)の物件は、築20年以内のものを買うのが無難です。それ以外の築年数の場合は、一定の耐震基準に適合するものである事を一定の要件にかなう方法で証明する必要があり費用面や適合しない場合がある事を考えると現実的にむずかしいです。

ケース別試算

購入価額別に消費税増税分、負担軽減策による軽減分の試算をしてみました。

借入金2000万円、中古マンション(土地分600万円 建物分1400万円)のケース
消費税率
5% 8% 10%
消費税 76.2万円 121.8万円
5%との差+45.6万円
152.3万円
5%との差+76.1万円
ローン控除 -171.3万円 -171.3万円
5%との差±0万円
-171.3万円
5%との差±0万円
すまい給付金 なし (-30万円)
5%との差
(-30万円)
(-50万円)
5%との差
(-50万円)
5%との差 +45.6万円 +76.1万円
借入金2000万円のケース

消費税増税分の差額は、まったく埋まりませんでした。借入金が2000万円なので住宅ローン控除の限度額拡充の恩恵は受けません。すまい給付金のほうも中古物件の要件が厳しく受けるのはむずかしそうです。

注.売主が宅建業者の場合の数値です。売主が一般個人なら消費税はかからず、いつ買っても損得条件は同じです。
注.表中のすまい給付金は、収入(425万円以下~510万円以下)により給付額が違います。中古物件での適用が難しいため括弧書きとし差額の合計には算入していません。


借入金3000万円、新築建売(土地分1100万円 建物分1900万円)のケース
消費税率
5% 8% 10%
消費税 103.7万円 165.9万円
5%との差+62.2万円
207.4万円
5%との差+103.7万円
ローン控除 -200.0万円 -256.9万円
5%との差-56.9万円
-256.9万円
5%との差-56.9万円
すまい給付金 なし -30.0万円
5%との差-30.0万円
-50.0万円
5%との差-50.0万円
5%との差 -24.7万円 -3.2万円
借入金3000万円のケース

すまい給付金を受けられれば、消費税増税分を回収できそうです。すまい給付を確実に受けられるように、新築建物の給付要件もマスターした方が良さそうです。

すまい給付金が受けられれば、消費税増税後の住宅購入の方が少しお得になりそうです。すまい給付金が無ければ増税後の購入は、損をするようです。

注.表中のすまい給付金は、収入額の目安が425万円以下、消費税10%時は450万円以下の場合の額です。


借入金4000万円、新築建売(土地分1800万円 建物分2200万円)のケース
消費税率
5% 8% 10%
消費税 121.3万円 194.0万円
5%との差+72.7万円
242.5万円
5%との差+121.2万円
ローン控除 -200.0万円 -342.5万円
5%との差-142.5万円
-342.5万円
5%との差-142.5万円
すまい給付金 なし -10.0万円
5%との差-10.0万円
-40.0万円
5%との差-40.0万円
5%との差 -79.8万円 -61.3万円
借入金4000万円のケース

消費税増税分の差額は、すまい給付金が無くてもローン減税の差額分だけでクリアできています。その上、すまい給付金も年収次第ではもらえる可能性があります。すまい給付を確実に受けられるように、新築建物の給付要件もマスターした方が良さそうです。

消費税増税後の購入の方がお得になるようです。

注.表中のすまい給付金は、収入額の目安が475万円超510万以下、消費税10%時は450万円超525万円以下の場合の額です。


借入金5000万円(土地分2560万円 建物分2440万円)
消費税率
5% 8% 10%
消費税 135.8万円 217.3万円
5%との差+81.5万円
271.6万円
5%との差+135.8万円
ローン控除 -200.0万円 -394.0万円
5%との差-194.0万円
-394.0万円
5%との差-194.0万円
すまい給付金 なし なし
5%との差±0万円
-20.0万円
5%との差-20.0万円
5%との差 -112.5万円 -78.2万円
借入金5000万円のケース

消費税増税分の差額は、すまい給付金が無くてもローン減税の差額分だけでクリアできています。その上、すまい給付金も年収次第ではもらえる可能性があります。すまい給付を確実に受けられるように、新築建物の給付要件もマスターした方が良さそうです。

消費税増税後の購入の方がお得になるようです。

注.表中のすまい給付金は、収入額の目安が510万超でなし、消費税10%時は600万円超675万円以下の場合の額です。

まとめ

上述のシミュレーションでは、金利の上昇や駆け込み需要による値上げ、増税後の販売不調による値下げなど不確定要素の影響は考慮に入れていません。

基本的には、増税云々よりも金利の低いうちに住宅ローンの金利を固定するために、早めにマイホームを手に入れた方が良いと思います。

今回の試算の結果、低所得者層には厳しく、高所得者層には甘い制度内容が垣間見えました。

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