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金利選定の実態調査を見て

更新日 2014年6月5日

各金利の構成比率グラフ

右図は、住宅金融支援機構の民間住宅ローン利用者の実態調査の調査結果をグラフ化したものです。現時点(2014年6月5日)では、今年の2月までのデータが発表されています。グラフ左端は年推移です。

住宅ローン利用者がどのような金利タイプを選んでいるのか傾向が分かります。将来の金利動向が上がるのか下がるのかを考えてローンを選んでいる人ばかりではなく、現在の低金利の魅力だけで変動金利型を選ぶ人も多い様です。

年推移のグラフでは顕著に変動金利を選ぶ人が減り固定金利を選ぶ人が増えていることがわかります。月次の推移では分かりづらいですけどね。調査回答数が月当たり200件前後あるので流れの方向性の一応の目安になりますね。

経済の概要と金利

2012年の暮れから停滞していた経済に微妙に回復の兆しが見え始めました。2013年度は、確かに経済停滞の底を離れ、2014年4月の消費税アップ(8%)が確定できるほどの成長が見られました。しかし、2014年の5月現在も回復基調が実感できるのは大手企業の一部だけのようです。中小零細企業は、相変わらず厳しい環境が続いている所が多いよううです。それでも、近い将来には経済が回復する期待が大きくなっています。そのような背景で金利の先高観も強くなっています。

変動金利は、金融政策の関係で依然として低金利が続いていますが、長期固定金利(10年国債)は、2012年6月に日銀の思惑を外れて早くも底を離れてしまいましたが、徐々に戻り10月以後現在に至るまで底に張り付いています。住宅ローン長期固定金利は、長期固定金利(10年国債)の推移に連動して現在もべったりと底に張り付いています。これ以上の金利低下はもうないと思います。(参考:固定金利と長期国債利回りの推移

金利タイプ決定の決め手

現在のような低金利な時期、ならびに、金利が上がる兆しが見られる時期に選ぶべき金利タイプは、合理的に考えれば全期間固定金利です。いくら金利が上がっても、返済額が今以上に増えない安心が手に入ります。

翻って変動金利や固定金利期間選択型 2年は、超低金利ですがリスキーです。全期間固定金利のフラット35と比べると現時点で金利差が概ね1%あります。仮に3千万円の1%と言えば30万円です。借入れ初年度の返済額が年間で297,200円の差があります。

しかし、金利は経済情勢を反映して常に変動します。次のような前提条件の下で金利が変動するとどのような結果になるのかをシミュレーションしました。

前提条件
[ 基本データ ] 借入金:3000万円、借入期間:30年、金利:変動金利1.0%   固定金利2.0%、返済方法:元利均等返済
[ 金利の変動 ] 変動金利の上昇時期:10年後に3%に上昇、20年後に4%に上昇
返済月額の比較表
変動金利 固定金利
1年目 96,500円 110,900円
10年目 116,400円 110,900円
20年目 122,000円 110,900円
金利の総額 10,183,000円 9,918,000円

上記のような金利推移があると、変動金利で借りている場合はこの表のように返済額が上がってしまいます。

変動金利から固定金利に変更する場合には、変更時点の金利が適用されます。変動金利が3%なら固定金利は概ね4.3%で、返済月額は130,100円になってしまいます。

しかし、将来のことなんて分かりません。今の低金利が続くかもしれません。このまま経済が停滞したとすれば金利も多分今のままでしょう。その場合は、変動金利を選んで結果オーライと言うことになります。
金利が上昇しても返済額が替わらない固定金利で安心を手に入れるか、このまま金利が変わらないと踏んでリスク承知の変動金利で勝負に出るか。


多くの方が金利の選択を間違えているようです。中には現在のような状況下で変動金利を選ぶリスクを承知した上で低金利の恩恵を受け、いざという時には金利上昇リスクを回避できる力を持った方もいるとは思いますが、ほとんどの方がそうではないと思います。単に金利が低い方がいいというだけで変動金利を選んだ方に聞きたいです。マイホームを手放す覚悟はできていますかと。

住宅ローンに限らずローンの決め手は、無理なく返済が出来るかどうかです。今後、金利が上昇するだろうことは分かっています。なにしろ、これ以上低くならない所まで下がっていますから、後は上がるだけです。 返済額が上がらない固定金利で、返済が無理なく返せる金額なら家計の破綻はありません。変動金利や短期の固定金利選択型は金利が低く魅力的ですが、金利上昇のスピードによっては、返済額が高くなりすぎて収支のバランスがくずれる恐れもあります。変動金利を利用される場合は、金利が何パーセントまでなら返済可能なのか、十分に余力を残して当初の返済額を抑えておく必要がありそうです。間違っても借入れ当初からかつかつの返済額ではいけません。それではン年後の金利上昇で支払不能になるのは確実です。

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